エアプロダクツは9月11日、米テキサス州ラポルテにある工業用ガス基地に、液体水素プラントを建設する計画であると発表した。需要増加に応えるもので、水素パイプラインから水素を受け入れ、液化能力は30トン/日。2021年の稼動を予定している。
英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルは9月17日、すべての石油・天然ガス資産で、2025年までにメタン排出強度を0.2%以下に抑えるという目標を発表した。エネルギー製品関連の炭素排出量を、2050年までに半減させる方針の一環となる。シェルは、赤外線センサーによるメタン排出の監視・漏洩補修技術の活用・空圧制御装置の改良などで、メタン排出量の削減につなげるとしている。
他方、中東湾岸諸国のエネルギー金融機関であるApicorpは9月下旬、海事機関(IMO)の船舶燃料にかかわる硫黄濃度規制による中東産油国やタンカー業者への影響を分析した。サイト『トレード・アラビア』などによると、低硫黄燃料の生産・供給能力、低硫黄燃料とエンジンとの関係、液化天然ガス(LNG)供給能力、スクラバー(洗浄集塵装置)の設置数などを分析した結果、低硫黄燃料の供給能力では、サウジアラビアが有利になると指摘。サウジアラビアには、発電燃料の市場があることから、スクラバー対応向けの高硫黄燃料の生産能力も高いという。
ジェットブルーは9月19日、米アラバマ州モービルの工場からの最新仕様のエアバスA321の納入飛行に再生可能燃料を使用したと発表した。再生可能燃料15.5%を、在来型石油系燃料に配合した燃料で、エアバスが給油した。ジェットブルーにとって、初めての再生可能ジェット燃料によるフライトとなる。
このほか、米エクソンモービルは9月20日、気候変動問題に取り組むOil and Gas Climate Initiative (OCGI)に参加すると発表した。OCGIは、英BP・英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタルの主導で発足した。エクソンモービルは4年前、OCGIへの参加を見送っていた。
ところで、ル・マン24時間レースを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)は9月24日、2024年の水素燃料電池車の導入に向けたプロジェクト『ミッションH24』を発表した。18年、ACOは24年以降のル・マン24時間レースに水素を利用した燃料電池をハイブリッド規定の一部として導入する計画を公表済みで、ミッションH24は、24年のデビューに向けて水素燃料電池車を推進・開発するプロジェクトになるという。