サウジアラビア国営のサウジアラムコは4月10日、ラトナギリ精製&石油化学と製油所・石化プロジェクトに合意し、覚書(MOU)に調印したと発表した。アラムコはラトナギリと均等出資の合弁会社(JV)を設立し、マハーラーシュトラ州のラトナギリに精製能力が日量120万バレルの製油所と石化コンプレックス(複合施設)を建設する計画だ。投資額は440億ドルで、2025年までの完工を目指す。ラトナギリ精製&石油化学は、インド国営石油会社(IOC)・国営ヒンダスタン石油(HPCL)・国営バハラート石油(BPCL)のコンソーシアムである。
他方、サウジアラムコは同日、仏トタルとともに、東部ペルシャ湾岸の中東最大の都市であるジュベイルにあるSATORP製油所・石油化学コンプレックスの拡張に合意し、MOUを締結した。
サウジアラビアの石油化学会社であるSABIC傘下の合弁会社(JV)、ナショナル・メタノール・カンパニーは4月5日、ポリエキシメチレン(POM)プラントが完成したと発表した。建設場所は、サウジのジュべイルで、POM生産能力は年間ベースで5万トン。中東・アフリカ地域で初めてのPOMプラントになるという。
4月4日付のサイト『ガルフベース』などによると、サウジアラムコが、米テキサス州ポートアーサー製油所に、石油化学コンプレックスの建設を計画していることが分かった。当該プラントでは、化学品のほか、ガソリン、ディーゼル、工業用溶剤の基材を生産する予定という。ポートアーサー製油所の原油処理能力は日量60万3,000バレルで、米国で最大規模である。
このほか、サウジアラビアの石油化学会社であるファーラービー・ペトロケミカルによる、西部マディーナ州ヤンブーの石化コンプレックス(複合施設)の建設費(約11億ドル)のうち、およそ3分の1の融資が決まったようだ。国際報道によると、融資は2018年第2四半期に完了するという。
ところで、4月1日付の『ロイター通信』によると、サウジアラビア政府が国有インフラ整備事業で、コンサルタント業務にかかわる入札を実施する意向であるとの情報が伝わった。入札を実施することで、停滞しているプロジェクトを活性化させるのが狙いとしている。外部コンサルタントを5年間起用し、政府機関がプロジェクトを自主的に管理・運営できるようにアドバイスするようだ。