サイト『アラブ・ニュース』などによると、サウジアラビアのサルマン国王は2017年12月末、18年の国家予算を発表した。それによると、総額9,780億サウジアラビア・リヤル(SAR)=約2,600億ドル。これに政府系ファンドからの融資を含めると1.1兆SAR規模になるという。歳入は7,830億SARを見込む。国内総生産(GDP)で2017年に8.9%だった財政赤字を8%以下に抑えるとした。また、2023年までに財政赤字を解消する目標を掲げた。

他方、『ロイター通信』などによると、サウジアラビア国営のサウジアラムコ最高幹部が、今後10年間で4,140億ドルを投資する意向を示した。原油・天然ガスの掘削活動に1,340億ドル、生産能力の確保に780億ドルを投じるという。投資額の見通しは16年の総額3,340億ドルから上方修正された。

サウジアラムコはこのほか、油田サービス大手のシュルンベルジュにサウジ国内における石油掘削装置(リグ)と油田開発業務2件を発注したと発表した。対象となるのは、天然ガス146井、原油128井で、期間は3年間。

また、サウジアラムコは2017年12月半ば、ハラド・ハウヤ天然ガス田の増産プロジェクトに関連し、米ゼネラル・エレクトリック(GE)グループの油田サービス会社であるベーカー・ヒューズと契約を締結した。ベーカー・ヒューズが発表した。それによると、サウジアラムコは、ハラド・ハウヤ天然ガス田での生産量を日量230scf(標準立方フィート)に倍増する計画だ。

ところで、サウジアラムコ傘下のアラムコ・トレーディングは2017年12月、シンガポールにオフィスを開設したと発表した。サウジアラムコによると、シンガポールの石油貯蔵能力はアジア最大の1,000万立方フィートという。シンガポールにはアジア最大規模の石油ハブの機能があるとし、同社は当地での拠点づくりを急いだとみられる。