今回は、2017年末までに報道された再生可能エネルギー関連の情報を取り上げる。
米エネルギー情報局(EIA)は2017年12月半ば、米国における発電所規模の太陽電池発電システムに関連し、結晶系シリコンパネルの発電量が16年に全体の7割を占め、結晶系シリコンが主流となっていることを明らかにした。太陽電池の発電量が最大となったのはカリフォルニア州で、太陽電池の発電能力は8.5ギガワット(GW)だったという。このうち、結晶系が5.0GWで、薄膜が3.5GWだった。発電量の第2位はノースカロライナ州だった。
イタリア炭化水素公社(ENI)は2017年12月18日、アルジェリア国営のソナトラックと、ソナトラックの国内生産拠点でソーラー発電プラントを建設することに合意したと発表した。ソナトラック側は、上流部門での開発や、マーケティング分野などでもENIとの連携を強化していくとの意向を示したという。
世界銀行は2017年12月12日、パリで開催された気候変動サミット「ワン・プラネット・サミット」の場で、2019年以降に石油・天然ガス開発プロジェクトに対する融資を止めると発表した。ただ、最貧国で計画されるプロジェクト向けの融資は継続するとした。
2017年12月13日、アマゾン、フェイスブック、グーグル、イケア、マイクロソフトといった世界を代表する多国籍企業50社は、2030年までに再生可能エネルギーの比率を、少なくとも35%とする目標設定した欧州連合(EU)を支持する共同宣言文書をEU加盟国のエネルギー担当相宛てに送付したと発表。再生可能エネルギーの利用を拡大するため、電力販売契約における規制緩和の必要性などを訴えた。
このほか、ペリー米エネルギー庁長官は2017年11月末、2018会計年度に米エネルギー・フロンティア・センターズ(EFRCs)に9,900万ドルを助成すると発表した。バイオサイエンス分野などでの技術革新(イノベーション)を加速させるという。対象となるのは、次世代エネルギー貯蔵、核エネルギー、水素関連、触媒などの分野だ。