インドのプラダン石油・天然ガス相は2017年12月、石油コークスの輸入制限に取り組む意向を表明した。インドは最近、米製油所から石油コークスを輸入しているが、同相は国内のセメント工場などで適正に燃焼された場合、石油コークスは環境汚染につながらないとの見方を示したという。ちなみに、インド最高裁は、環境保護の面でデリー首都圏など周辺州での石油コークス使用禁止を命じている。他方、インド国営石油会社(IOC)は、パラディップ製油所(精製能力は日量30万バレル)での石油コークスのガス化を検討しているという。サイト『エコノミック・タイムズ』などによると、石油コークスを合成ガス原料と発電に利用するという。投資額は最大で約31億ドルの見通しだ。
インドのリライアンス・インフラストラクチャー(RInfra)は2017年12月6日、バングラデシュの液化天然ガス(LNG)ターミナルと発電プラントの設計・調達・建設(EPC)役務を約7億8,000万ドルで受注したと発表した。EPCの対象となるのは、クタブディア島のLNGターミナル(再ガス化能力は日量5億立方フィート)と、ダッカ近郊にあるメグナハットのコンバインドサイクル発電プラントの建設で、2019年までに完工の予定としている。
インド南部のケーララ州コーチに国営バハラット石油(BPCL)が予定するコーチ製油所のプロピレン関連プロジェクトに付随する工業団地建設の構想が練られているという。サイト『ザ・ヒンドゥ』(2017年12月12日付)などによると、この計画はケーララ州とBPCLの共同プロジェクトで、中小規模の施設を誘致する計画という。
このほか、環境汚染の対策でインド政府がメタノールをガソリンに15%配合する方針を検討していることが判明済みだ。インド政府は、石炭から製造するメタノールがガソリンに比べて環境面に貢献するだけにとどまらず、安価であると強調している。
ところで、インド国営天然ガス供給会社(GAIL)は、マディア・プラデーシュ州で運営するHBJ天然ガスパイプラインを監視するため、ドローン(無線操縦の無人機)を試験的に導入した。インドではかつてアーンドラ・プラデーシュ州のパイプラインで発生した事故で多くの人命を失った教訓から、旧式パイプラインの更新などの対策が急務となっているようだ。