11月30日付の『ロイター通信』は、米シェブロン、仏トタル、中国石油天然気(ペトロチャイナ)で構成されるコンソーシアムがイラクのマジヌーン油田(生産量は日量ベースで23万5,000バレル)の権益を英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルから取得する可能性があると報じた。マジヌーン油田開発事業からの撤退を決めたシェルは、2018年6月末までに国営バスラ・オイルに事業を譲渡する予定とされる。
英ジェネル・エナジーは12月4日、イラクのクルド地域で運営するタクタク油田の北側で、新たな原油の埋蔵を発見したと発表。掘削深度は3,100メートル。白亜紀層で貯蔵層を発見したという。ただ、埋蔵量は公表していない。タクタク油田の現在の原油生産量は日量1万5,100バレル。
一方、イラク石油省は11月26日、イランとクウェートに隣接する南部、東部地域に加え、一部の海洋石油・天然ガス鉱区で探査・開発にかかわる国際入札を実施すると発表した。対象となるのは、バスラ、ミサン、ムサンナー、ワーシト、セントラル・ディヤーラー各県にある9カ所以上の鉱区とされる。石油省は、今回の入札で過去の契約条件を変更する予定という。
また、イラク石油省は11月26日、同国北部に位置するキルクーク油田で産出する原油をトルコのセイハン港に輸送するキルクーク-セイハン原油パイプラインの改修工事を中止し、新たにイラク北部のバイジとトルコ国境のフェイス・カブールを結ぶパイプラインを建設する計画であると発表した。キルクーク-セイハン原油パイプラインは2014年以降、イスラム過激派勢力による攻撃を受け、損傷を受けた。
このほか、サイト『イラク・ディナー・ニュース』などによると、クウェートのマルズーク石油相は11月26日、イラクからクウェートへの天然ガス輸出価格に関連し、イラク政府と合意に達したという。イラクは初期段階で日量5,000立方フィートの天然ガスを輸出する。その後、同2万立方フィートまで増やす予定としている。輸出価格の詳細は、現時点で明らかにしていない。