カナダのスティールヘッドLNGは2017年12月初旬、ブリティッシュコロンビア(BC)州バンバートンで予定していた液化天然ガス(LNG)輸出プロジェクト「マラハットLNG」を中止すると発表した。スティールヘッドLNGはこれまで、BC州のマラハット先住民地区と共同で計画遂行の可否を検討してきたが、結果的に断念するに至ったという。他方、スティールヘッドLNGは、同州のポート・アルバーニで計画するクゥイスパLNGプロジェクトについては、引き続き検討するとの意向を示した。

また、カナダ天然資源省は2017年11月末、キンダー・モーガン・カナダが提出した、トランス・マウンテン原油パイプライン拡張計画に関連する検討委員会の設置を支持する書類を国家エネルギー委員会(NEB)に送付したと発表した。ブリティッシュコロンビア(BC)州南西部のバーナビー市は、原油パイプライン計画を認可していない。これに対し、キンダー・モーガンはその後、拡張計画について、当局による承認手続きが2018年1月までに完了しなければ、着工が2020年9月までずれ込む可能性があると発表した。

一方、カナダのアルバータ州では、ノース・ウエスト・リファイニング・スタージョン製油所からディーゼルが初出荷された。ビチューメンを原料として超低硫黄ディーゼルなどの燃料製品を製造する計画で、2018年にフル稼働に達する予定という。

グレイロック・エナジーは2017年12月半ば、同社がアルバータ州のカースランド近郊で建設を予定するガス・トゥ・リキッド(GTL)プラントについて、管轄するロッキーマウンテンGTLプロジェクト役員会が最終投資決定(FID)を下したと発表した。天然ガスや天然ガス液(NGL)を原料に合成ディーゼル、ナフサなどを製造するとしている。

このほか、米エクソン・モービルは昨年末、カナダのヘブロン油田で、原油の生産活動を開始したと発表。プラットフォームは、カナダ東部のニューファンドランド・ラブラドール沖合約350キロメートルに設置されているという。ピーク時に日量15万バレルの原油生産を見込む。ヘブロン油田は1980年に発見された。埋蔵量は7億バレルという。