エネルギー分野におけるイランとイラクとの関係強化が目立つ中、ここ数カ月における両国のエネルギー関連情報を取り上げる。1回目は、イラン動向について紹介する。
イラン石油省傘下の報道機関『Shana』は11月20日、イラン国営NIGTCのタバコリ社長が、イラクのバグダッド向けに天然ガス12億立方メートルを輸出したことを明らかにした。イランは同国産天然ガスを最大で日量2,500万立方メートルをバクダッドに輸出することで合意済みのほか、イラク南部のバスラへも輸出する計画だ。
イラン産天然ガスのバスラへの輸出計画については、2018年3月までに開始するとの情報がある。一方、サイト『イラン・デイリー』によると、イラン国内ではパイプラインの建設を完了しているが、イラク側では未完成との情報も伝わる。
ところで、イラン国内における動きだが、仏トタルがイラン南部のサウス・パース天然ガス開発プロジェクトのフェーズ11を開始したという。サイト『トレード・アラビア』などによると、トタルは2017年7月、フェーズ11を実施することで合意。総投資額は50億ドルを見込む。
他方、サイト『テヘラン・タイムズ』(11月19日付)によると、今年度のイラン暦年が始まった3月21日以降、サウス・パース石油埋蔵層から原油420万バレルが輸出されたという。
また、サウス・パース天然ガスプロジェクトのフェーズ6、7、8における第4天然ガス処理プラントで、イラン暦年の年初から9月22日までにコンデンセート生産量が1,800万バレルとなり、過去最高を記録したという。第4プラントで生産されたサワーガスを第1プラントに3億9,000万立方メートル、第2プラントに12億5,000万立方メートル、第5プラントに8億7,000万立方メートルをそれぞれ供給したとされる。
このほか、イランの『タスニム通信』は11月28日、イランの発電能力(名目)が過去2週間に381メガワット(MW)増加し、7万7,987MWに到達したと伝えた。