インド政府は9月半ば、国内の原油・天然ガスを増産するため、今後5年間をかけて2D地震探査データを実施すると発表した。同国政府の公式ホームページによると、国営オイル・インディア(OIL)とインド国営石油ガス会社(ONGC)が約4億6,000万ドルを投じ、国内24州で2D地震探査を実施する見通しという。探査にかかる費用はインド政府が全額負担する。
このほか、インド政府は9月9日、液化天然ガス(LNG)輸入に関連し、豪州のゴーゴンLNGプロジェクトと価格交渉に入ったと発表した。印ペトロネットLNGは2009年、米エクソンモービルとゴーゴンLNGから年間150万トンを輸入する契約を締結した。サイト『ヒンダスタン・タイムズ』などによると、ゴーゴンLNGプロジェクトのLNG価格は、原油価格の13~13.5%に設定されているとされる。
ペトロネットLNGはまた、スリランカにLNGターミナルをスリランカおよび日本企業と共同で建設する。今後、天然ガス需要を考慮しながら施設の規模を設定する見通しで、工期は2年間を見込む。スリランカ政府もこの計画を承認する意向としている。
一方、インドの石油・天然ガス省は、国営ヌーマリガー・リファイナリー(NRL)がアッサム州で展開するヌーマリガー製油所の拡張プロジェクトを後押ししている。このプロジェクトでは、精製能力を日量6万バレルから同18万バレルに拡大するもので、アッサム州などが計画に賛同しているという。9月8日付のサイト『エコノミック・タイムズ』などが伝えた。
国営ヒンダスタン石油(HPCL)が、今後5年間に事業拡大を図るため、約95億ドルを投資する計画だ。インド政府は現在、国営石油会社の合併を推進しており、HPCLは国営ONGCとの統合を予定している。
ところで、インド南部のマハーラーシュトラ州コンカン海岸沿いに製油所を建設するプロジェクトに対し、地元住民や農業関係者らが反対している。住民らは海洋汚染や大気汚染につながると懸念しているようだ。9月11日付のサイト『インディアン・エクスプレス』によると、今後、このプロジェクトが順調に進むかは不明としている。