今回は、世界のエネルギー企業をめぐる新規株式公開(IPO)の情報を取り上げる。
英BPは9月11日、米100%子会社であるBPミッドストリーム・パートナーズ(BPMP)のIPOを今年第4四半期に実施する予定であると発表した。BPMPは米テキサス州ヒューストンに本社を置き、陸上原油・石油製品パイプラインのほか、メキシコ湾の沖合生産施設と湾岸周辺にある製油所などを結ぶ原油・天然ガスのパイプラインを運営する。
エジプト政府は今夏、石油省傘下のエンジニアリング会社であるエンピにかかわるIPO入札で、米CIキャピタル、ジェフリーズ・インターナショナル、アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツNBDキャピタルで構成されるコンソーシアムが落札したと発表した。エジプト政府は現在、国内経済を立て直す長期計画に基づき、国営企業のIPOを進めている。今回のエンピの案件もその一環とされる。
他方、アブダビ国営石油会社(ADNOC)は、国内で約300カ所のサービスステーション(SS)運営を手がける子会社「ADNOCディストリビューション」のIPOを検討している。ADNOCはIPOによって140億ドル相当を調達する見通しだ。上場先はアブダビ証券取引所で、株式約10%を公募するという。また、9月10日付の『ロイター通信』は、ADNOCディストリビューション以外の子会社のIPOも実施される可能性があると報じた。
このほか、ベトナム国営ペトロリメックスが今春、ホーチミン証券取引所に新規株式上場を果たした。ベトナム政府は、ペトロリメックスの株式76%を保有する。今回の上場によって、国外からの投資を呼び込もうとの狙いがある。同社の2016年の売上高は約2億7,700万ドルとされる。
ところで、 サウジアラビア国営のサウジアラムコが2018年の下半期に予定する大型IPO計画について、9月14日付の『ブルームバーグ・ニュース』は、サウジアラムコがIPOを2019年に延期することを検討していると報じた。実現すれば、過去最大級のIPOとされるだけに、今後の上場スケジュールの動向から目が離せない。