豪州の電力系統・市場運用者である豪州エナジー・マーケット・オペレーター(AEMO)は9月5日、電力報告書(ESCO)を発表し、石炭火力発電所の閉鎖などが原因で、電力需給がひっ迫し、風力発電など再生可能エネルギーの比率が高い南オーストラリア(SA)州やビクトリア(VIC)州などでこれから夏場を迎えるピーク時の停電リスクがあるとした。AEMOは、停電を回避するためのシステム強化が必要との見解を示した。
一方、豪VIC州政府は8月末、同州における再生可能エネルギーの割合を2020年までに25%、2025年までに40%に目標設定するための法案を州議会に提出した。VIC州政府の公式ホームページによると、州政府のダニエル・アンドリュース首相は、再生可能エネルギーの入札(650メガワット分)を実施する方針で、10億ドル相当の投資に期待していると表明した。
豪セネックス・エナジーは9月5日、クイーンズランド(QLD)州スラット盆地の炭層ガス(CSG)田を落札したと発表した。QLD州政府は、天然ガスの供給を増やす目的で入札を実施していたという。セネックスが取得したCSG田の埋蔵量は1,900億立方フィート、生産能力は日量2,800万フィートとされる。2019年の生産開始を目指している。
独立系石油・天然ガス開発会社の豪メルバーナ・エナジーは今夏、開発資金を調達するため、2018年にキューバ沖合の「ブロック9」と呼ばれる鉱区を掘削する計画であることを明らかにした。サイト『オイルプライス』などによると、この鉱区の可採埋蔵量は6億3,700万バレル(原油換算)。メルバナはキューバ政府との間で当該鉱区の生産分与契約(PSC)を締結済みで、全権益を保有している。
ところで、国際仲裁裁判所は9月1日、豪州と東ティモール間で争っていたティモール海の境界線問題が解決したと発表した。判決内容の詳細は明らかにしていないが、「グレーター・サンライズ」天然ガス田での生産から得られる収入を両国で折半する契約を締結していたものの、今年1月に契約が破棄されたことで司法判断を仰ぐことになったという。両国は今年10月、新たな契約を締結する予定だ。