イスラエルの天然ガス開発会社のイスラムコネゲブは8月20日、同国沖合のダニエル・イースト、ダニエル・ウエスト両鉱区の開発を断念し、権益を返却すると、テルアビブ証券取引所に通知した。同日付の『ロイター通信』が報じた。両鉱区の権益はイスラムコとモディン・エナジーが保有している。
一方、イスラエルの石油精製会社であるイスラエルズ・オイル・リファイナリーズ(ORL)は今夏、化学会社のイスラエル・ケミカルズ、ガス発電会社のOPCロテムと共同で、ギリシャのエネルギアン・オイル&ガスから天然ガス170億立方メートルを購入する交渉を行っていると発表した。エネルギアンがイスラエル沖合のカリッシュ、タニン天然ガス田で産出される天然ガスを購入するという。ORLは、購入価格などの詳細は明らかにしていない。
また、油田サービス会社のシュルンベルジェは7月末、イスラエル沖合のリバイアサン天然ガス開発プロジェクトに関連し、オペレーターである米ノーブル・エナジーから計装システムを受注したと発表した。計量装置や制御装置などを収納する施設も建設する。リバイアサン天然ガス田プロジェクトの第1フェーズでは、37億5,000万ドルを投入して4井を掘削し、年間計120億立方メートルの天然ガス生産を目指している。
このほか、イスラエルのデレク・グループの子会社であるデレク・ドリリングは7月初旬、同国沖合のタマル天然ガス田の埋蔵量を11兆2,000億立方フィートに上方修正したと発表した。これまでの埋蔵量見通しから13%増加したという。また、コンデンセートの埋蔵量もこれまでの1,300万バレルから1,480万バレルに上方修正した。
タマル天然ガス田は、2009年にイスラエル沖合で発見された。ハイファから約130キロメートル離れた海底約1,500メートルに位置する。天然ガス埋蔵量は当初、10兆立方フィートでイスラエルの国内消費の数十年分に相当するとされた。2013年3月末、約4年間の開発工事が完了し、商業生産がスタートした。