インドのダルメンドラ・プラダン石油・天然ガス相はこのほど、インド国営石油ガス会社(ONGC)とヒンダスタン石油(HPCL)の2大国営会社の合併を2017~18年度中に完了するとの意向を示した。7月12日付のサイト『エコノミック・タイムズ』などによると、合併により、総額400億ドルの企業規模になるという。
インド国営石油会社(IOC)は、原油輸入先の分散化を図るため米国産マーズ、サザングリーン・キャニオン原油、カナダ産ウェスタン・カナディアン・セレクト原油など高硫黄原油を初輸入する方針を固めたようだ。7月初旬に訪米したナレンドラ・モディ印首相が、ドナルド・トランプ米大統領とエネルギー分野での協力関係について話し合ったとされる。今年3月、プラダン石油・天然ガス相が、米テキサス州ヒューストンで開催されたシンポジウムに出席した後、トランプ米政権でエネルギー庁長官に就任したばかりのペリー長官と会談し、エネルギー事業の協力関係について協議し、今回のモディ訪米をお膳立てしたとされる。
ところで、インドの石油・天然ガス省は、物品サービス税協議会(GSTカウンシル)が、バイオディーゼルなどの再生可能エネルギーに物品税18%を課すとした方針に対し、減税を求めることを明らかにした。6月8日付のサイト『インディアン・エクスプレス』などによると、インドではこれまで、環境対策として原油輸入量を削減する観点からバイオディーゼルに過去10年間、物品税は課されていなかったという。
また、ONGCの海外事業を担う子会社であるビィデッシュ(OVL)は7月4日、英タローオイルが保有するナミビア沖合の3鉱区(ブロックス2112Aなど)の権益30%を取得することに合意したと発表した。
このほか、インドの海洋掘削会社であるアバン・オフショア(本社:チェンナイ)は6月末、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの子会社であるブルネイ・シェル・ペトロリアムとの間で、ブルネイダルサラーム沖合のディープ・ドリラー5(DD5)掘削装置(リグ)の5年間にわたる運用で合意したと発表済み。6月23日付のサイト『オフショア・エナジー・トゥディ』などによると、運用期間はオプションとして3年間の延長が可能という。今年の第4四半期にも運用を開始する見通しだ。