シンガポール石油製品スポット価格とドバイ原油との価格差であるクラック・スプレッドが上昇基調だ。軽油クラックは7月3~19日の平均で12.56ドル/バレル、JET燃料クラックは同期間平均で11.71ドルへ跳ね上がり、いずれも2月以来の水準となっている。石油市場での見立ては、インドで4月から軽油の品質が低硫黄分の「EuroⅣ」に切り替わり、国内生産で対応できない同国が、シンガポールでのスポット調達(輸入)に動き、旺盛な需要が喚起されたからだとされる。また、供給面では中国の輸出枠の減少が背景にあるとの見方もある。
長期間にわたり低迷していたスプレッドが、いよいよ底打ち反転上昇に向かうのだろうか。シンガポール市況に大きな影響を与える中国経済の好調さが強力な支援材料になっていることを指摘したい。経済活動の活発化が本物ならば、今後、クラック・スプレッドは拡大基調を強めると予想する。つまり、中国経済の足腰は強いということになる。
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