英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルは、子会社のシェル・インターナショナル・エクスプロレーション&プロダクションを通じて、SBIバイオエナジーとカナダSBIが保有するバイオ燃料技術の独占開発権とライセンス権を取得することに合意した。SBIは、廃油や持続可能な植物油などからディーゼル、ジェット燃料、ガソリン向け炭化水素冷媒のドロップインを製造する特許技術を所有しているという。SBI626日、発表した。

 小規模なガス・トゥ・リキッド(GTL)設備会社の米ベロシスは622日、木質系バイオマスから高品質な再生可能ディーゼル・ジェット燃料の製造に重点を置くとの事業方針を発表した。それによると、米オクラホマ州にあるエンビア・エナジーのプラントで、フィッシャー・トロプシュと呼ばれる方法で合成された炭化水素化合物を製品化し、商業化に向けたデータを取得しているという。ベロシスは現在、1基目となるバイオマス・トゥ・リキッド(BTL)プラントの予備的な基本設計役務(FEED)を進めている。

 エア・リキッド・エンジニアリング&コンストラクションは、ナイジェリアのダンゴート・グル―プが新設する製油所に水素プラント2基を供給するという。622日付のサイト『ケミカル・ウィーク』などによると、プラントの水素製造能力は200万ノルマル・リューベ(Nm3/時という。製油所の建設地は、ナイジェリアのレッキ経済特区で、ユーロ-5基準(硫黄分が10ppm以下)の燃料を製造する見通しだ。

 米ニューヨーク州にあるシンクタンク「ブルックヘブン国立研究所」(BNL)と中国の北京大学の研究チームがこのほど、水性ガスシフト反応を利用して水と一酸化炭素(CO)から高純度水素を製造する低コストの触媒を開発し、その成果をサイエンス雑誌に発表した。BNL622日、ニュースリリースで明らかにした。

 他方、フィンランドのVTTテクニカル・リサーチ・センターは69日、ラッペンランタ大学との共同研究で、大気中から回収した二酸化炭素(CO2)を利用して再生可能燃料と化学品を製造する実証プラント試運転を開始したと発表した。実証プラントでは、太陽電池や電気分解による水素製造、大気中からのCO2回収などのプロセス性能を評価するもので、再生可能燃料と化学品を200リットル製造する計画としている。