豪州エネルギー市場委員会(AEMC)は6月27日、国内における電力需給にかかわる規則を改訂したと発表した。豪州では年々、再生可能エネルギーの利用が増加する中、需給の不安定化が懸念される事態(昨年、南オーストラリア州で大規模な停電が発生)が生じているため、停電のリスクを低減する目的で、電力網の運営方法を見直したとしている。電力会社は今後、蓄電池を使用して電力需給を安定化させる必要がある。この規則は2017年9月から部分的に施行されることになるという。
豪州の非政府組織(NGO)である「クライメート・インスティテュート」は6月27日、豪州国民の多数が再生可能エネルギーの利用拡大を望んでいるとする調査結果を発表した。それによると、回答者の96%が再生エネの導入を求めているという。また、クリーン・エネルギーへの代替策として石炭の利用停止を求めたのは59%で、このうち72%が豪政府による支援に期待しているとの結果が判明したという。
豪ウッドサイド・ペトロリアムは6月28日、西オーストラリア州沖合のノース・ウエスト・シェルフ(NWS)のカラッサ天然ガスプラントが24日に停止し、液化天然ガス(LNG)の生産活動を停止したと発表した。ウッドサイドは現在、プラントが停止した理由について調査中とし、この時点で輸出への影響は明らかとなっていない。この天然ガスプラントは、西オーストラリア州パースの北方約1,260キロメートルに位置し、LNG輸出能力は年間1,690万トンという。
他方、ウッドサイドは6月8日、英ケアン・エナジーからセネガル沖合のSNE深海鉱区のオペレーターを引き継ぐ予定だったものの、この鉱区の権益15%を保有する豪探鉱会社のFARが合意していないと発表した。同日付の『ロイター通信』によると、2021年初頭に計画していた生産開始が遅延する可能性が大きくなったという。ウッドサイドは2016年、SNE深海鉱区の権益35%を米コノコフィリップスから取得した。
このほか、豪州の石油・天然ガス開発会社であるオイル・リサーチは6月23日、国内外からの金融機関14行から5年間で総額6億ドルの融資枠を設定したと発表。同社は今後、今回の融資をパプアニューギニアで展開するLNG生産活動に充てるとの見通しを示した。