リトアニア国営の天然ガス供給会社であるリエトゥボス・ドゥーヨス(本社:ビリニュス)は6月26日、米シェニエール・エナジーの子会社であるCMIとの間で、米国産液化天然ガス(LNG)を輸入することに合意したと発表した。契約内容の詳細については明らかされていない。米国産LNGはまず、リトアニアのクライペダ港のLNG施設に輸送され、隣国ラトビア近郊のインチュカルンス天然ガス貯蔵施設に送られるという。リトアニアのエネルギー相は、昨年2月から米国産LNGの輸入に関して米国企業と協議を続けてきたという。リトアニアをはじめとする東欧諸国の多くはこれまで、ロシア国営のガスプロムからの天然ガス供給に依存していたが、これを減らし、輸入先の多様化に取り組んでいる。
一方、エストニア国営電力会社のエスティ・エネルギアは6月21日、子会社のエネフィトがポーランドで工業向け電力・天然ガスの販売事業を開始したと発表した。ポーランドにおける電力・天然ガス市場は現在、国営電力会社(PGE)と、国営石油・天然ガス会社のPGNiGが独占しているものの、ドイツのエネルギー大手RWEの子会社であるInnogy(本社:エッセン)などの一部企業が進出している。
ところで、PGNiGが米国からLNGの輸入拡大を検討していることが判明した。7月第2週にドナルド・トランプ米大統領がポーランドのワルシャワを訪問した際、アンジェイ・ドゥダ大統領と会談し、LNG輸出に関連して協議したとされる。PGNiGは今年4月、米シェニエール・エナジーから米国産LNGをポーランドとして初めて輸入した。
このほか、ポーランドの天然ガス輸送会社であるガス–システムは、品質不良を理由に6月21日に停止したヤマル天然ガスパイプライン経由の天然ガス輸入業務に関連し、品質が改善されたとしてロシアから輸入を再開した。ガス–システムに先立ち、供給先のガスプロムは、品質不良にかかわる技術的な問題が解消されたと発表していた。送ガス管が停止していた間、貯蔵していた天然ガスを利用したため、ガス–システムは国内での供給に悪影響を及ぼさなかったとしている。
㊟ 国旗はポーランド