インド国営石油会社(IOC)、バハラット石油(BPCL)、ヒンダスタン石油(HPCL)の国営3社は6月14日、マハーシュトラ州ラトナギリに世界最大級の石油精製・石油化学コンプレックスを建設する計画に向けた合弁企業(JV)の設立に合意したと発表した。投資額は400億ドルを見込む。インドの燃料需要量は2040年までに年間5億トンに増加すると予測され、需要増に対応するため、精製能力の増強は避けて通れないと判断したようだ。設立するJVの出資比率はIOCが50%、BPCLとHPCLが各25%ずつ。
BPCLは6月14日、マディヤプラデーシュ州にあるビナ製油所の精製能力を現行の日量12万バレルから今後4~5年で31万バレル程度にまで増強すると発表した。インド政府は、国内における精製能力を現在の35%増にあたる日量620万バレルまで増強する目標を掲げている。
一方、インドのジャイトリー財務相は6月14日、予算説明で国営HPCL株式の政府保有分をインド国営石油ガス会社(ONGC)に売却するスキームを説明した。買収が実現すれば、ONGCは国営IOC、リライアンス工業に次ぐ精製能力を保有することになるという。インド政府は現在、国際競争力を強化するため、国営石油企業の集約に向けた取り組みを進めている。
また、インド政府は6月7日、国営インド再生可能エネルギー公社(IREDA)の新規株式公開(IPO)による資金調達を承認したと発表した。調達した資金を再生可能エネルギー分野の投資に充てるという。
インドのリライアンス工業(RIL)は6月9日、グジャラート州ジャームナガルにあるパラキシレン複合施設(コンプレックス)の再結晶装置の第3系列が完成したと発表した。これにより、パラキシレン製造能力は倍増し、世界シェアで11%となり、世界第2位となった。施設には英BPの最新プロセスが導入されているという。リライアンス工業とBPは別途、インド東海岸の沖合にある天然ガス鉱区(KG-D6)の共同探査に乗り出すことも発表した。投資額は60億ドルとしている。
このほか、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルのインド法人である「シェル・ルブリカンツ・インディア」は6月3日、インドにおける潤滑油の市場シェアを今後3年間で5%に引き上げる計画を発表した。