バイオ関連では、フィンランドのネステが独自開発した再生可能ディーゼルを同国のポルヴォー市がすべてのディーゼル車に使用することを決めたほか、水素エネルギー関連では、米カリフォルニア州エネルギー委員会が、水素ステーション9カ所の新設計画に助成することを発表した。

 フィンランドのネステは613日、同国南部ウーシマー県ポルヴォー市が、すべてのディーゼル車に同社製の再生可能ディーゼル(MYリニューワブル・ディーゼル)を使用する同国初の都市になったと発表した。ネステ社製のMYディーゼルを導入することで、ポルヴォー市は年間約100キロリットルの石油系ディーゼルを代替できる。MYディーゼルは、廃棄物や残渣物から製造されるため、石油系ディーゼルに比べて温室効果ガス(GHG)排出量が90%少ないという。

 他方、ガス・トゥ・リキッド(GTL)製造会社の米ベロシスは619日、米農務省(USDA)からバイオリファイナリーへの助成公募(フェーズⅡ)に対する入札を要請されたと発表した。融資枠は2億ドルで、木質系バイオマスから再生可能ディーゼルを日量1,400バレル製造する計画という。

 米エクソンモービルは619日、米シンセティック・ゲノミクスと共同で、藻類を改良した脂質の生産量を倍増させることに成功したと発表。両社の研究チームは、藻類の脂質含有量をこれまでの20%から40%に引き上げたという。また、同研究チームは今後、脂質含有量を増やすことで、デンプンやたんぱく質を減らすとともに、藻類の生育を妨げない技術開発に取り組むとしている。

 一方、水素エネルギー分野では、米カリフォルニア州エネルギー委員会が614日、水素ステーション9カ所の新設計画に約1,700万ドルを助成すると発表した。助成対象となる水素ステーションは、米ファースト・エレメント・フューエルが南カリフォルニア地区で計画する5カ所と、サンフランシスコ湾地区で予定する3カ所のほか、エア・リキッド・アドバンスト・テクノロジーズがサンタ・ネーラ地区で計画する1カ所。カリフォルニア州は、燃料電池乗用車の普及を図るため、水素ステーション100カ所の開設を目指している。

 このほか、ドイツのダイムラーは5月半ば、H2モビィリティ・ドイツと、パートナー企業であるエア・リキッド、リンデ、ロイヤル・ダッチ・シェルとともに、フランクフルトとヴィースバーデンに水素ステーションを開設したと発表した。ドイツでは、設置された水素ステーションが30カ所に達しているという。