サウジアラビアでは、石油化学分野での生産活動が盛んになっているほか、新規の石化プラント建設プロジェクトが進行している。
サウジアラビアの石油化学会社であるサダラケミカルは、ペルシャ湾に面するジュバイルの石油化学プラントで、液体ポリメリックMDIの商業生産を開始したと発表した。PMDIの生産はサウジアラビアで初めてとなり、プラントは1系列として世界最大規模という。サダラケミカルはまた、国内初となるブチルグリコールエーテル(BGE)の商業生産を開始したことも明らかにした。
サウジアラビアの石油化学会社であるSABICは6月中旬、カザフスタン国営のユナイテッド・ケミカル・カザフスタンとカザフのアティラウで計画する新規石油化学コンプレックス(複合施設)建設の企業化調査(FS)で覚書(MOU)に署名した。サウジの証券取引所(Tadawul)が6月10日、公表した。
一方、国営サウジアラムコは5月末、中東湾岸地域で最大規模となる造船所を建造すると発表した。投資額は52億ドル。サウジアラムコは、サウジの海運会社である国営サウジアラビア造船(Bahri)、韓国の現代重工業(HHI)、アラブ首長国連邦(UAE)の掘削装置(リグ)製造会社であるランプレルと合弁会社(JV)をサウジ東海岸のラス・アル・ヘールに設立する。造船所の稼働は2019年、22年にフル稼働する予定としている。
他方、英エンジニアリング大手のアメック・フォスター・ウィーラーは6月初め、サウジアラビア東部に位置するマルジャン油田鉱区などで原油・天然ガス増産に向けた設備の建設工事を国営サウジアラムコから受注したと発表した。契約期間は5年間で、天然ガス処理プラントの新設などの基本設計(FEED)を担うとしている。
このほか、エマーソン・プロセス・マネージメントは6月12日、サウジアラムコと事業活動のデジタル化を進めることで連携強化を図ると発表した。両社は本件で覚書(MOU)を締結したという。エマーソンは今後、サウジアラムコに対し、先進デジタル技術や教育トレーニング業務などを提供するとしている。