豪州では、ビクトリア (VIC)州政府がこのほど、同州内への天然ガス供給を優先させることを目的に天然ガスの輸出を制限する措置を講ずることになったほか、豪電力大手のAGLエナジーが南オーストラリア(SA)州で新設する天然ガス焚き発電プラントに投資することを決定したなどの情報が伝わる。

 VIC州政府は67日、同州内への天然ガス供給を優先するため、天然ガスの輸出を制限する措置を講ずると発表した。同日付のサイト『プレミア・オブ・ビクトリア』などによると、豪州パイプライン&ガス協会(APGA)のクーリーンウッド代表は、VIC州政府が陸上での天然ガス鉱区の開発禁止令を解除すれば、需給問題は解消に向かうとの見解を示したという。

 一方、電力大手である豪AGLエナジーは67日、SA州のバーカー・インレットへの天然ガス発電プラント(210メガワット=MW)の建設に22,200億ドルを投資すると発表した。再生エネルギーを導入するSA州では現在、風力発電への依存度が急拡大していることを受け、天然ガス発電プラントを建設することで、風力発電で供給不足が生じた場合を想定し、これを補う狙いがあるという。AGLは、旧式のトーレンスA天然ガス発電プラントの代替としてバーカー・インレットに新設する計画だ。これにより、AGLは、始動から5分以内に最大発電量に達することができるとの見通しを示した。

 また、仏テクニップFMC67日、豪ウッドサイド・エナジーが西オーストラリア(WA)州沖合のノース・ウエスト・シェルフで展開するグレーター・ウエスタン・フランク天然ガス田開発のフェーズ2で、3年間にわたる海底掘削役務を受注したと発表した。

 このほか、石油・天然ガス開発会社の豪オイル・サーチは5月末、パプアニューギニアにおける複数鉱区からの権益30%を米エクソンモービルから取得することに合意したことを受け、2017年の投資額を増額すると発表済みだ。オイル・サーチのニュースリリースによると、同社は今年の探査にかかわる投資額を当初の25,0003億ドルを27,000万ドル~32,000万ドルに上方修正した。