米農務省(USDA)が管轄する食糧・農業研究所と米エネルギー省(DOE)は6月5日、バイオマス研究・開発イニシアチブ(BRDI)を通じて2017年度にバイオ燃料にかかわる開発に対し900万ドルを助成すると発表した。対象分野は、バイオ原料の生産と物流、バイオ化学品の開発などとしている。

米エネルギー情報局(EIA)は5月25日、米国全体の発電能力でバイオマス発電などが4%だったことを公表した。揚水発電能力は23ギガワット(GW)、地熱発電能力は3.7GWだったという。バイオマス系では木質系廃棄バイオマスが10.2GW、都市ゴミが2.2GWだった。

ドイツ航空宇宙センター(DLR)は6月7日、ルフトハンザ・テクニックや独防衛科学技術爆薬燃料研究所(WIWEB)と共同で、バイオ航空燃料の試験を実施し、化学的かつ物理的な評価を得たと発表した。この試験は、ジェットエンジン試験装置を備えるルフトハンザ・テクニックで行われたという。バイオ燃料がエンジンに悪影響を及ぼさないことを確認したほか、燃料成分の最適化で多くのデータを得られたとしている。

他方、カナダのボンバルディアは5月25日、代替ジェット燃料を生産するスカイNRGと独AEGフューエルズがデモンストレーション飛行用に持続可能なジェット燃料を提供したと発表した。KLMジェットセンター(蘭アムステルダム)からスイスのジュネーブにある大規模なコンベンションセンター(EBACE)の会場までのデモフライトであったという。米アルトエア・フューエルズのバイオリファイナリーで製造された航空燃料をAEG経由でスカイNRGが供給したという。

ところで、EIAは6月6日、米航空会社のジェット燃料消費量が、2015年比で3%増、16年比で2%増になったことを明らかにした。米運輸省・交通統計局によると、16年のジェット燃料消費量は10年前に比べて11%減少したという。これに対し、16年の輸送量は07年比で20%増となった。この背景について、EIAは、航空機の燃費が改善されているため、輸送量の伸びに対し、ジャット燃料の消費量が大幅に増加していないと分析している。