インドでは、国営エネルギー企業による設備拡張や石化製品の増産などの動きが目立っている。他方、インド政府は、資金調達を目的に国債を発行し、再生可能エネルギーによる発電能力を引き上げる。

 528日付のサイト『エコノミック・タイムズ』によると、インド国営石油会社(IOC)201617年度の純利益が、米ドル換算で前年度比70%増の約296,000万ドルとなり、インド国営石油ガス会社(ONGC)を上回ったという。IOCはまた、パラディプ製油所・石油化学コンプレックス(複合施設)の拡張を計画する。他方、529日付のサイト『ビジネス・スタンダード』などによると、IOCはオリッサ州政府に2,700エーカーの用地取得を申請した。石化プラント新設工事の投資額は3946億ドルと見積られる。

 一方、インド国営天然ガス企業(GAIL)は、石油化学製品の生産量を大幅に増やす計画だ。ポリマーの生産量は201617年度実績で577,000トンだったという。GAIL2018年度にウッタル・プラデーシュ州にあるプラントで80万トンのほか、アッサム州で20万トンをそれぞれ製造する計画を明らかにしたという。

 インドの天然ガス供給企業であるグジャラート・ガスは530日、ペトロネットLNGと液化天然ガス(LNG)供給や販売分野での協力関係にかかわる覚書(MOU)に署名したと発表した。ペトロネットLNGは、LNGの輸入やLNGターミナル建設を推進する目的で、GAILONGC、バハラット石油(BPCL)などによって設立された。

 このほか、インド政府は524日、資金調達の目的で36,500万ドル相当の国債を発行し、再生可能エネルギー公社(IREDA)を通じて関連企業などに資金提供することを承認したという。同日付のサイト『ニュー・インディアン・エクスプレス』などによると、IREDAは、再生可能エネルギー関連のプロジェクトを後押しするために設立された政府系の金融機関である。気候変動を抑止する策として、インド政府は約1,000億ドルの投資計画をすでに発表済みだ。国内における再生可能エネルギーの発電能力を2022年までに175ギガワット(GW)に引き上げる目標を掲げている。