5月19日に実施されたイラン大統領選挙で、穏健派とされる現職のロウハニ大統領が再選を果たした。そのイランでは現在、アザデガン油田開発にかかわる入札情報や、2018年にも500億ドル相当の石油関連プロジェクトが動き出すなどの情報が伝わる。
イラン国営石油会社(NIOC)は5月28日、アザデガン油田開発の入札を近く開始すると発表した。NIOCはすでに海外企業29社に入札にかかわる案内状を送付したという。対象企業は、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、中国石油天然ガス集団(CNPC)、ロシアのルクオイル、インドネシアのプルタミナなどだ。
また、イラン国営石油化学会社(NPC)は、3月21日から始まったイラン暦で1年間の石油化学製品の製造目標を7,200万トンにすると発表した。6カ年計画では、2022年までに石化製品の製造量を年間ベースで1億2,000万トンにすると付け加えた。
他方、イランの産業開発・革新庁(IDRO)の投資部門の責任者はこのほど、2018年に契約額ベースで500億ドル相当の石油関連プロジェクトが動き出すとの見方を示した。5月26日付のサイト『オイル・プライス』などが報じた。
ところで、イランの『シャーナ』によると、ロウハニ大統領は、(5月19日の)大統領選挙前、イラン南部ブシェール州アサルーイェの石油化学プロジェクト4件を発表済みだ。4プロジェクトの収益目標は年間20億ドル。4プロジェクトでは、エチレンが年間100万トン、モノエチレングリコールが同54万トン生産される見通しだ。
このほか、ノルウェーのベルゲンを本拠地とする海運会社のオドフェルは5月31日、イランのバンダル・イマム・ホメイニ港の化学品ターミナル「Exir Chemical Terminal」の権益35%をドイツの石油貯蔵大手であるオイルタンキングに600万ドルで売却したと発表した。