豪州ではニューサウス・ウェールズ(NSW)州が所有する電力会社の売却作業が進むほか、連邦政府が2017年の海洋探査鉱区の入札情報を発表するなどの動きが出ている。

NSW州当局は5月半ば、投資会社マッコーリー・グループを主体とするコンソーシアムが、NSW州の傘下にある電力会社エンデバー・エナジーを76億2,000万豪ドルで買収したと発表した。5月11日付のサイト『デイリー・テレグラフ』によると、コンソーシアムには、マッコーリーのほか、カナダの年金基金「ブリティシュ・コロンビア・インベストメント・マネージメント」、カタール投資庁などが参画しているという。

コンソーシアムは、エンデバーの株式50.4%を取得し、負債も引き継いだもようだ。今回の買収案件のほか、NSW州の傘下には2つの電力会社があったが、2015年11月にトランスグリッドが102億6,000万豪ドルで、2016年10月にオウスグリッドが162億豪ドルで、それぞれ買収したという。

他方、豪連邦政府は5月半ば、2017年の海洋探査鉱区「オフショア・ペトロリアム・エクスプラレーション・エーカレッジ・リリース」の入札情報を発表した。対象となる鉱区は、北部準州、西オーストラリア州、タスマニア島、ビクトリア州のそれぞれ沖合、アシュモア・カルティエ諸島の計8海盆、21鉱区とした。

企業関連では、豪オリジン・エナジーが5月19日、クイーンズランド州で展開する「ダーリング・ダウンズ」天然ガスパイプラインをエネルギーインフラ会社のジェメナに2億9,100万ドルで売却することに合意したと発表した。オリジンは現在、負債削減を急ぐため、8億ドル相当の資産売却を進めている。

このほか、豪アロー・エナジーは5月初旬、クイーンズランド州スラット盆地の炭層メタン(CSG)を生産する「ティプトン」天然ガスプロジェクトの増産計画の基本設計(FEED)を開始すると発表した。計画によると、天然ガスの生産能力を、現在の日量33テラジュール(TJ)から同80TJに増やすという。アロー・エナジーはFEEDを完了した後、最終投資判断(FID)を下す予定だ。