ノルウェーでは、液化天然ガス(LNG)輸送会社がこのほど、LNG船6隻の建造を韓国企業に発注したほか、政府当局が海洋油田の生産活動を認可するなどの動きが出ている。
ノルウェーのLNG輸送会社のフレックスLNGは、LNG船6隻の建造を韓国のサムスン重工業(SHI)と大宇造船海洋(DSME)に発注した。6隻のうち、2隻は2018年、残り4隻は2019年に就航予定としている。5月26日付の『ロイター通信』が伝えた。
ノルウェー石油監督局(NPD)は5月24日、スタットオイルが申請していたノルウェー領北海のGina Krog油田の生産を認可したと発表した。これを受け、スタットオイルは6月末から生産活動を開始する見通しだ。当該油田は、北海Sleipner油田の北西30キロメートルに位置し、水深は110~120メートルとされる。スタットオイルはすでに生産プラットフォームと浮体式の貯蔵・出荷設備(FSO)を保有する。投資額は37億ドルと見積られている。
また、スタットオイルは5月22日、2020年にかけて1億2,000万~2億4,000万ドルを投資して、デジタル技術の開発センターを建設するとともに、デジタル技術の開発を推進すると発表。エネルギー開発におけるコスト削減、データ解析技術の向上などにつなげるとしている。
他方、ノルウェーの石油エネルギー省は、天然ガス・電力会社である英セントリカが主導するノルウェー海オーダ油田の開発計画を承認した。オーダ油田の可採埋蔵量は、4,800万バレル(原油換算)。投資額は約4,655万ドルとしている。2019年に生産を開始し、10年間継続する計画だ。原油は英国のティーズサイド天然ガス処理施設に輸送される。天然ガスは近くのウーラ油田の原油埋蔵層に注入されるという。権益比率はセントリカが40%、サンコア・エナジー・ノルゲが30%などとなっている。
このほか、ノルウェーの窒素肥料メーカーであるヤラ・インターナショナルと海洋技術で知られるコングスバーグ・グルッペは5月初旬、完全電化で自動操船するゼロエミッション・コンテナ船の共同開発を行うと発表した。実現すれば、世界初となる。当面は有人船として運用されるが、2019年に遠隔操作を導入し、2020年には完全自走のモードに移行する予定としている。