中国北京市の傘下にあるエネルギー供給事業者の北京能源投資は5月24日、江蘇省唐山市と戦略的共同事業で合意したと発表した。江蘇省の曹妃旬区に液化天然ガス(LNG)ターミナルを建設する。契約内容には、天然ガス火力発電所の建設や、分散型発電プロジェクトなどが含まれるとしている。

一方、中国石油工程建設(CPECC)は5月初旬、ナイジェリア国営石油会社(NNPC)から天然ガスパイプライン(全長221キロメートル)の建設工事を9億4,900万ドルで受注したと発表した。送ガス管の建設に付随し、ガスステーション2基、7カ所のバルブ制御室の工事も含み、ナイジェリア国内のアジャオクータ・カドゥナ・カノ各州を結ぶとしている。『ロイター通信』などの報道によると、送ガス管の建設工事には中国のチャイナ・ペトロリアム・パイプライン・ビューローや、ナイジェリアのブレントテックス・ペトロリアム・パイプラインも参画する。2017年末までに契約を締結する見通しだ。

5月半ばに中国の北京で開催された「一帯一路」サミットに先立ち、パキスタン政府は5月13日、中国から5億ドルの投資で合意したと発表した。パキスタンのシャリフ首相と中国の習近平国家主席が覚書(MOU)に署名した。投資資金は、エネルギー関連などのインフラ整備に充てられるとしている。

他方、「一帯一路」サミットへの参加で訪中したロシア国営ガスプロムのミラー最高経営責任者(CEO)は、極東地域から中国への天然ガス輸出で今年中にも合意したいとの意向を表明した。ミラーCEOは5月14日、『ロイター通信』など報道陣の質問に答えた。契約内容は、シベリア鉱区から天然ガス年間380億立方メートルを30年間にわたり中国側に供給するというものだ。

このほか、中国国務院は5月22日、民間企業が石油・天然ガス備蓄事業に参入することを認可すると発表した。2020年に向け、地下備蓄施設に投資を増やすほか、原油輸入を管理するシステム構築などを急ぐ方針のようだ。