今回は、東南アジア諸国(マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム)における最新のエネルギー事情を取り上げる。(国旗はマレーシア)
サイト『マレーメール・オンライン』(4月16日付)などによると、マレーシア国営ペトロナスは、中国で液化天然ガス(LNG)事業を拡大する方針という。特に、中国南部へのLNG供給を増やすとしている。ペトロナスは現在、マレーシアのサラワク州ビンツルにあるLNG複合施設からLNGを輸出するとともに、最近はサラワク沖合のカノウィット天然ガス田の浮体式LNG施設などからも出荷を開始している。
シンガポールのエンジニアリング会社であるロタリー・エンジニアリングは4月11日、エミレーツ国営石油会社(ENOC)の子会社(ENOCプロセッシング)からジェル・アリ製油所の貯蔵タンク増設工事にともなう設計・調達・建設(EPC)役務および保守役務を受注したと発表した。契約額は計1億2,000万ドル。
サイト『タイランド・ニュース』(4月1日付)は、タイのエネルギー相がボンコットとエラワンの天然ガス2鉱区の開発事業に関し、今年12月に入札を実施する見通しを示したと報じた。2鉱区の天然ガス生産量は、日量計22億立方フィートとされる。タイ議会は3月末、石油関連法の修正案を可決。今後、タイ国内の石油資源開発や生産活動で民間企業が参入できるようになり、生産分与契約(PSA)が認められるようになった。
インドネシアでは、英アンダラス・エナジー&ガスが4月24日、国営プルタミナとの間で、小規模天然ガス田で発電プロジェクトを立ち上げると発表した。プルタミナがスマトラ島中部で開発するガス田を選定し、企業化調査(FS)を進めるとしている。発電規模は250~500メガワット(MW)の予定だ。
このほか、ベトナム国営ペトロリメックスは4月21日、ホーチミン証券取引所(HOSE)に新規株式上場を果たした。ベトナム政府は、ペトロリメックスの株式76%を保有。今回の上場によって、国外からの投資を呼び込もうとの狙いがある。同社の2016年の売上高は約2億7,700万ドルとされる。