デンマークの現地紙『Politiken』(3月29日付)によると、ロシアからバルト海を経由してドイツに輸送する「ノルド・ストリーム2」天然ガスパイプラインの建設計画に対し、欧州連合(EU)の欧州委員会はこのほど、EUが加盟国の取りまとめ役としてロシアと交渉すると加盟国に提案した。欧州委員会は、EUの総意として合意した法的枠組みの範囲で交渉を進めるべきとの考えを示した。(写真はイメージ)
これに対し、4月9日付の『ロイター通信』は、デンマーク政府が外交・国家安全保障上の理由から「ノルド・ストリーム2」パイプライン建設を拒否するする権利にかかわる法改正の検討に入ったと報じた。
デンマーク政府は、ノルド・ストリーム2の建設可否を国内法に則って検討すべきとの姿勢を表明。今後、法解釈をめぐり、EUとデンマーク政府との間で、この事案が火種となるかもしれない。
こうした状況下、ロシア国営ガスプロムは4月24日、「ノルド・ストリーム2」天然ガスパイプラインの建設計画で、仏エンジーやオーストリアのOMVなど欧州5社が投資することに合意したと発表した。
このほか、英BPは4月初旬、英国領北海の「フォーティーズ・パイプライン」(輸送能力は日量57万5,000バレル)を2億5,000万ドルでスイスの化学会社であるイネオスに売却したと発表した。フォーティーズ・パイプラインは、北海のフォーティーズ油田からブレント原油をスコットランドのグランジマウス製油所に輸送している。
BPは2003年、米独立系石油会社のアパッチにフォーティーズ油田を売却した後、05年にイネオスにグラジマウス製油所を売却していた。フォーティーズ・パイプラインの2016年における原油輸送量は日量44万5,000バレルとしている。