今回は、中東のオマーンに関するエネルギー動向を伝える。石炭火力発電の導入を検討するほか、石油ターミナル建設にかかわる入札情報などが報じられている。また、同国政府が複数の国営エネルギー企業の新規株式公開(IPO)を実施する方向で検討に入った。
4月16日付のサイト『ザウヤ』などによると、オマーンが石炭火力発電の導入を検討しているという。国営オマーンパワー&ウォーター・プロキュアメント(OPWP)は、石炭火力による独立系発電事業(IPP)にかかわる財務・商業アドバイザリー・サービス業務で、海外リサーチ会社を対象に公募を開始したという。
他方、オマーン・タンク・ターミナル・カンパニー(OTTCO)は、ラスマルカズ石油ターミナルのフェーズ1にかかわる入札を5月に計画していると、『オマーン・オブザーバー』(4月9日付)が報じた。フェーズ1では、原油貯蔵施設(能力は20万バレル)などの建設が予定されている。この原油ターミナルは、ドュクム経済特区(SEZ)で重要な案件と位置付けられている。なお、OTTCOは、オマーン国営Orpicの100%子会社である。
また、クウェート国営KPIとオマーン国営OOCは4月10日、ドュクム経済特区に製油所および石油化学コンプレックス(複合施設)を建設することに合意したと発表。ドュクム製油所の精製能力は、日量23万バレルで、クウェートで産出された原油を処理する。石油製品は国内外に供給されるとしている。
このほか、オマーンの石油・天然ガス相は4月20日、複数の国営エネルギー企業の新規株式公開(IPO)を実施する方針であることを明らかにした。同日付の『ブルームバーグ・ニュース』などが報じた。対象企業は石油化学会社のサラーラ・メタノールの社名が挙がっている。サラーラ・メタノールは2006年に設立。日量3,000トンのメタノールを製造しているという。