26、27の両日にわたり、インドにおけるエネルギー事情を取り上げる。現地からの報道によると、インド国営石油会社が5月1日から一部の地域でこれまで2週間ごとに見直しされていた石油製品の価格を毎日改訂することになったほか、インドがイランからの原油輸入が過去最高に達したことなどが伝わっている。(写真はイメージ)

4月7日付の『エコノミック・タイムズ』は、インド国営石油会社が、ガソリン国内価格を国際市場での価格と毎日比較することを検討しているため、小売価格が日々改訂される可能性があると報じた。インドでは現在、ガソリン価格の小売価格は2週間ごとに見直されている。適正な価格を把握するための改訂とみられインド国営石油会社(IOC)、バハラット石油(BPCL)、ヒンダスタン石油(HPCL)の国営3社が国内燃料市場の95%を支配しているという。

『エコノミックス・タイムズ』は、続報としてIOC、BPCL、HPCLの国営3社が5月1日から一部の都市でガソリンとディーゼルの価格を毎日改訂すると伝えた。IOCは4月半ば、連邦直轄領のポンディシェリ、バイザッグ、ウダイプル、ジャムシェドプル、チャンディーガルの5都市で価格改訂を開始し、最終的にインド全土で実施すると発表済みだ。

ところで、インドは2016年4月1日から2017年3月末にイランからの原油輸入量が過去最高を記録したという。『ロイター通信』などによると、輸入量は前年同期比15%増の日量54万1,000バレルだった。昨年1月半ば、イランが欧米諸国からの経済制裁を解除されたことを受け、インドのリライアンス工業などによる輸入再開が輸入増につながったとみられている。

このほか、インド政府は2015~2016年度に、発電事業者が液化天然ガス(LNG)を購入する際に補助金を支給することで、国内の電力供給不足に備えた。ところが、今年3月31日をもって補助金支給を終了したため、LNG関連企業から「天然ガスは安価な石炭と競合できず、LNG需要が年間で100~200万トン減少する」(印ペトロネットLNG)との指摘がある。インドのLNG輸入量は2015年度が前年度比15%増の1,608万トン、16年度(16年4月から17年2月現在)で1,700万トンだった。