今回は、ナイジェリアの最新エネルギー事情を取り上げる。同国連邦政府のモジュール・リファイナリーズと呼ばれる小型製油所の建設計画にニジェールデルタ各州が関心を示すほか、ナイジェリア国営石油会社(NNPC)の国内におけるフレア(開発にともなって排出される未利用のガス)排出量が過去10年間で26%削減したとの情報が届いている。

4月6日付のサイト『NAIJ』などによると、ナイジェリア連邦政府が計画するモジュール・リファイナリーズ建設にニジェールデルタ各州が関心を示しているという。現在、石油や天然ガス投資家らとニジェールデルタにあるイジャー族の王国であるグバラマツの代表者が建設計画について協議を重ねているとしている。連邦政府は、小型製油所の建設・運営で収益を上げられるとし、部族間の紛争回避にも役立つとの見方を示している。

NNPCは4月初旬、国内における天然ガスフレア排出量を2006年の36%から2016年は10%に削減したと発表した。06年のフレア排出量は1日あたり25億立方フィートで、天然ガスの消費量は同3億立方フィートに過ぎず、削減のペースが順調に進んでいるとの見方を示した。

英エランド・オイル&ガスは4月初め、ナイジェリアのOpuama油田鉱区(Opuama-3井)の生産量が今年1月の生産開始後、累計で約33万バレルになったと発表した。また、原油15万4,173バレルを1バレルあたり52.14ドルで販売し、収入が約800万ドルだったとした。浮体式の生産・貯蔵・出荷設備(FPSO)の定期修理に入っていたものの、4月半ばに生産を再開したとみられる。

このほか、MRSオイル・ナイジェリア(本社:ラゴス)が、ラゴス州チン・カン島港に建設していたダンタナ桟橋がこのほど、完成した。サイト『ケーブル』などによると、桟橋は8~12万トン級の船舶が利用可能なターミナルが設営されている。このターミナルは、アフリカ初となる最新式の給油モニターを備えているという。今後、このターミナルと同じ仕様を備えた設備を国営NNPCなどが導入すると期待されている。