中国では、クリーンなエネルギー開発に向けた海外企業との連携が目立つとともに、企業が石油化学分野における最先端の技術導入に取り組む。これに加え、中国当局は環境保護で強化対策に乗り出している。
中国のウィソン・エンジニアリング(本社:上海)は2月14日、デンマークのハルダートプソとクリーン・エネルギーや化学品開発、市場開拓分野などで提携することに合意したと発表した。ハルダートプソは1940年に設立され、世界有数の異質触媒プロバイダーとして知られる。ウィソンの劉海俊社長は、声明文で「クリーンなエネルギー開発でハルダートプソと協力でき、うれしく思う。プロセス開発、エンジニアリング研究などで新技術の工業化が促進される」などと述べた。
また、中国最大級の製油所・石油化学プロジェクトを浙江省舟山市で展開する浙江省石油化学(ZPC)は2月半ば、米ハネウェルUOPのプロセスを採用する。ハネウェルは、ライセンス・設計・設備・触媒・計装・自動化プロセスを提供する。第一段として、製油所(精製能力は日量40万バレル)とアロマプラント(生産能力は年間500万トン)の建設を予定する。主要プロセスは、水素化脱硫分解、プロパン脱水素などとしている。
このほか、米CB&Iは、石油化学製品の製造に応用されるアルキレーション・プロセスのライセンス供与と設計役務を中国の陜西燕昌石油化学(陜西省)から受注した。CB&Iの発表資料によると、硫酸法のアルキレーションの改良プロセスを提供するという。
一方、中国当局が環境保護政策に乗り出す動きが目立っている。広東省珠海市の環境保護局などはこのほど、髙エネルギー消費量、環境汚染物質の排出量が多い12分野(製油所・製鉄所・セメント・ガラス・コークス・非鉄金属の精錬・製紙・鉛電池・メッキ・紡績・皮革・発酵工業)の新規プロジェクトを禁止することを決めた。こうした措置によって、産業構造の変革を推進するとしている。また、サイト『チャイナ・オルグ』などは、新華社の報道を引用し、北京市が環境汚染物質を含む排出量の多い自動車の利用を市内中心部で2月15日から禁止する措置を講じると伝えた。基準を満たさない小型ガソリン車は、平日に北京五環路に侵入できなくなったという。