豪州では現在、同国で最大規模となる太陽光プラントの建設工事が4月にスタートするほか、液化天然ガス(LNG)輸入基地の建設に向けた計画が進行している。北部準州(NT)では、大規模なシェールガス埋蔵の可能性に注目が集まっている。

豪州の電力・ガス供給会社であるエナジー・オーストラリアと土地開発のESCOパシフィックは2月初め、豪州で最大規模となる太陽光プラント「ロス・リバー」(142メガワット=MW)の建設工事を今年4月から開始すると発表した。ESCOによると、プラントは豪クイーンズランド州のマンゴー園だった土地に建設され、費用は約1億7,200万ドルを見込む。2018年初めに完成予定。エナジー・オーストラリアは、ロス・リバーの電力の8割を13年間購入することに合意済みだ。

豪州第2位の電力・天然ガス販売会社であるAGLエナジーはこのほど、LNG輸入基地を建設する場所を今年半ばに選定する予定と発表した。AGLは最大3億ドルを投資する予定で、浮体式もしくは陸上LNG輸入ターミナルを建設する計画だ。ニューサウス・ウェールズ州(NSW)やビクトリア州(VIC)、南オーストラリア州(SA)に天然ガスを販売する。2018年6月までに最終投資決定(FID)を下す予定。天然ガス産出の大国である豪州では現在、輸出が加速する一方、一部地域でガス不足が深刻化するといった状況が生じている。

また、先に本サイトで取り上げたように、豪オリジン・エナジーは2月半ば、北部準州(NT)ビータルー盆地の鉱区で、シェールガス埋蔵に関する調査結果をNT政府に報告した。オリジンは、生産テストの結果、大規模なシェールガス埋蔵の可能性を確認したとしている。ビータルーにおける権益比率は、オペレーターのオリジンが35%、南アフリカのサソルが35%、アイルランドのファルコン・オイル&ガスが30%。ただ、NT政府は2016年9月から非在来型天然ガスのフラクチャリング(水圧破砕工法)の使用を一時禁止する措置をとっている。

ところで、豪サントスは2月下旬、2016年の決算報告で、同社がかかわるグラッドストーンLNGプロジェクトの評価損11億ドルを計上したため、10億5,000万ドルの純損失になったと発表した。ただ、2015年に比べ、損失額は46%、純負債額が26%、それぞれ減少し、財務体質の改善が進んでいるとした。2017年は、生産量5,500万~6,000万バレル(原油換算)、販売量7,300万~8,000万バレル(同)を見込む。