パキスタンでは現在、液化天然ガス(LNG)輸入基地プロジェクトが進んでいる。国際企業から構成されるコンソーシアム(複合企業体)がこのほど、同国におけるプロジェクトを後押しすることになった。

ノルウェーのHoegh LNG、カタール・ペトロリアム(QP)、仏トタル、三菱商事、米エクソンモービルはこのほど、コンソーシアムを設立し、パキスタンのLNG輸入基地プロジェクトを推進することになった。

2月7日付の『ロイター通信』などによると、このコンソーシアムは、パキスタンのグローバル・エナジー・インフラストラクチャー(GEIL)と共同で、浮体式のLNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)、桟橋、パイプラインの建設を手がけるという。LNG貯蔵能力は17万立方メートル、FSRUの再ガス化能力は日量7億5,000万立方フィート。2017年に着工し、2018年第2四半期に操業開始を予定する。Hoegh LNGは昨年12月、20年間に及ぶFSRUチャーター契約をGEILと締結済みだ。

このFSRU施設に関連し、シンガポールの海運大手であるBWグループは1月半ば、FSRU「BWインテグリィティ」(BWI)の命名式を韓国の巨済(コジェ)市にあるサムスン重工業の造船所で実施したと発表した。BWI施設は、パキスタンのカシム港において2基目のLNG輸入施設となる。

一方、パキスタンにおけるLNGビジネスに関連し、様々な情報が飛び交っているのも事実だ。スイスのトレーダーであるガンホーがLNG船約60隻分を落札したとの情報のほか、パキスタン・エネルギー省関係者の話として、イタリア炭化水素公社(ENI)が15年契約を締結したとの情報も伝わっている。パキスタンはこれまで、LNG輸入ターミナル・パイプライン建設を含むインフラ整備に数十億ドルを投資している。

このほか、国営カタールガスと英スコットランドのグローバル・エナジー・インフラストラクチャーは昨年10月、20年間にわたるパキスタンへのLNG輸出にかかわる売買契約に調印したと発表済みだ。輸出の開始は2018年上半期を予定としている。