南アジア地域におけるパキスタンとバングラデシュの最新情報を取り上げる。パキスタンでは、新しい製油所の建設計画が本決まりとなったほか、バングラデシュでは、同国の製油所拡張プロジェクトで、油田サービス会社の仏テクニップが設計業務を受注した。(国旗はパキスタン)

パキスタンのパク-アラブ・リフアイナリー(Parco)はこのほど、同国バローチスターン州のカリファポイント製油所の新設計画を決定した。精製能力は日量30万バレルで、ガソリンなど石油製品の取得率が高いハイコンバージョン仕様の設備を計画している。1月23日付のサイト『タイムズ・オブ・イスラマバード』などによると、投資額は50億ドルに上るという。Parcoは、水素化分解装置の処理能力を日量2万5,000バレルから同12万5,000バレルに拡大する方向で検討しているようだ。

また、シンガポールの海運大手であるBWグループは1月半ば、パキスタン向け浮体式の液化天然ガス(LNG)貯蔵・再ガス化施設(FSRU)「BWインテグリィティ」(BWI)の命名式を韓国の巨済(コジェ)市にあるサムスン重工業の造船所で実施したと発表。BWI施設は、パキスタンのカシム港において2基目のLNG輸入施設となる。LNG貯蔵能力は17万立方メートル、再ガス化能力は日量7億5,000立方フィート。

一方、バングラデシュでは、テクニップが国営バングラデシュ・ペトロリアム・コーポレーション(BPC)のイースタン製油所の拡張プロジェクトにおける設計業務を受注した。1月19日付のサイト『デイリー・スター』によると、BPCは石油精製能力を現行の日量3万バレルから同9万バレルに引き上げるとしている。

このほか、インド国営石油精製会社のNRLは、バングラデシュにディーゼル(2,281トン)を輸出した。インドのシリグリにあるNRLターミナルからバングラデシュの国営BPCが保有する油槽所に向け鉄道輸送された。1月12日付のサイト『エコノミック・タイムズ』などによると、NRLとBPCは、パイプライン建設プロジェクトでも契約を締結したという。NRLは、インド国営バーラト石油(BPCL)の子会社で、インド東部のアッサム州を拠点にしている。