ロシアでは、国営石油大手のロスネフチが2017年の投資額を増額すると発表したほか、中国向け原油輸出量を増やす計画が伝わっている。また、ルクオイルがメキシコにある鉱区で、カナダ社と共同開発することに合意した。
ロスネフチは1月下旬、投資額を2017年が185億ドル、18年は219億ドルになると発表した。17年の原油輸出量で、中国向けが年間3,100万トン、インド向けが年間200万トンを予定する。ちなみに、同社の16年の投資額は126億ドルで、原油生産量は年間2億1,000トン(日量ベースで420万バレル)だった。ロスネフチはまた、2017~23年の7年間にカザフスタン経由の中国向け原油輸出量を計7,000万トン増やすことで、中国石油天然ガス集団(CNPC)と合意した。
サイト『プラウダ・レポート』によると、ロシアから中国向け2016年の原油輸出量は前年比25%増の日量105万バレルとなった。この結果、ロシアはサウジアラビアを抜き、中国に対し、最大の原油輸出国になったという。
ロスネフチはこのほか、1月18日、イタリアの石油精製大手であるサラスの株式12%を1億8,700万ドルで売却したと発表した。ロスネフチはサラスの株式50%を保有していたイタリアの大富豪であるモラッティ家から株式21%を取得していた。
一方、ルクオイルは1月半ば、カナダのルネッサンス・オイルとメキシコのチコンテペック盆地アマティトラン鉱区(面積は230平方キロメートル)の共同開発に合意した。この鉱区の権益25%を保有するルネッサンスは、将来的に62.5%を取得し、オペレーターとなる予定。当該鉱区の埋蔵量は、原油42億バレル、天然ガス3.33兆立方フィート。
このほか、ガスプロムに次ぐロシア第2位の天然ガス会社であるノバテクは1月半ば、2016年の天然ガス生産量が前年比2.7%減の2.34兆立方フィートだったと発表した。これに対し、同社の原油・コンデンセートの生産量は同37%増の1,244万トン。新規油田の生産開始が寄与したとしている。