サウジアラビアでは、国営サウジアラムコがインドなど南アジア向けの2月の原油輸出量を減らすほか、サウジの石油化学会社であるSABICが、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの保有する石化会社(SADAF)の全株式50%を買収することに合意した。

サウジアラムコは1月半ば、インドなど南アジア向けの2月の原油輸出量を減らす。石油輸出国機構(OPEC)の原油減産の合意を履行するもので、中国など他のアジア諸国向けの輸出量は減らさない方針だ。1月12日付のサイト『ビジネス・スタンダード』などによると、インドのリライアンス工業やマレーシアのペトロナス向け重質原油の輸出量を減らすとしている。

また、1月19日付のサイト『タイムズ・オブ・インディア』によると、サウジアラムコがインドのアーンドラ・ブラデーシュ州の製油所プロジェクトに投資するという。同州の知事がサウジアラムコの社長と会談し、投資に前向きな評価を得たとしている。

一方、米独立系石油会社のノーブル・エナジーは1月20日、サウジアラムコからノーブル・スコット・マークスとノーブル・ロジャー・ルイス鉱区の5年間にわたる石油リグ(掘削装置)の使用契約の延長が認められたと発表した。新契約は2017年から22年にかかるという。

このほか、SABICは1月22日、石化会社のSADAFに関連し、シェルが保有するSADAFの全株式50%分を8億2,000万ドルで買収することに合意したと発表した。SADAFは、SABICとシェルの子会社(シェル・ケミカルズ・アラビア)との均等出資で、1980年に設立された。石油化学製品(エチレン、エタノール、スチレンモノマー、苛性ソーダなど)を年間ベースで計470万トンを生産している。SABICは、SADAFの株式取得を2017年末までに完了する予定だ。

ところで、SABICが発表した2016年第4四半期(10~12月期)決算では、純利益が前年同期比47.7%増の12億1,000万ドルだった。原油価格の上昇に加え、コスト削減効果を増収要因に挙げた。