インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は昨年12月、イランの首都テヘランを訪問し、ハサン・ロウハニ大統領と会談した。両首脳は石油や天然ガス分野での2国間協力の拡大で合意。インドネシアの国営プルタミナは2017年、イラン国営石油(NIOC)から液化石油ガス(LPG)を50万トン以上輸入する方針としている。
インドネシアとイランが、石油化学分野で提携を模索していることが判明している。昨年12月末のサイト『ザ・イラン・プロジェクト』などによると、原油の精製能力を拡大しようとしているインドネシアに対し、イランは、原油の供給先として有望視するとともに、石油化学分野での提携に興味を示したという。さらに、インドネシア国営肥料会社のププク・スリウィジャヤ・パレンバン(プスリ)が、イランのヘンガム・ペトロケミカルが保有する株式50%を取得する見込みであることも明らかとなった。
他方、インドネシアのタングーLNGは昨年12月、2017~19年に出荷する液化天然ガス(LNG)にかかわる入札を実施すると発表した。入札対象は8~10船/年。同国政府によると、LNGプロジェクトの未契約分は、2017年が63船(計700万トン)、18年が約60船という。
また、フィリピンのアトランチック・ガルフ&パシフィック・カンパニー(AG&P)と、インドネシアの投資企業であるリスコ・エナジー・グループは昨年12月半ば、インドネシアに中規模LNGターミナル建設を目的とする合弁企業(JV)を設立した。LNGの再ガス化・貯蔵・輸送・発電などを計画している。インドネシアでは現在、規模の小さいLNG基地の建設がバリ島を中心に進んでいるそうだ。同国政府のエネルギー高官によると、これらは「バーチャル・パイプライン」と呼ばれ、多数の島々からなるインドネシアでは、小型LNG船を利用してガス輸送を活性化させているという。
このほか、インドネシア政府は、東カリマンタン州ボンタンに計画するボンタン製油所(精製能力は日量30万バレル)プロジェクトの建設でこのほど、国営プルタミナを指名した。同社子会社のバダックNGLのLNGプラントの隣接地に建設する予定だ。プルタミナは、2019年末までに着工を目指している。