米アメリカン航空が、カナダの投資銀行を起用して再生可能ジェット燃料の調達に取り組むほか、米大学と企業が立ち上げた合弁事業で最先端の再生可能バイオ燃料製造プロセスの開発に乗り出すなど、バイオ燃料をめぐる企業間競争が熾烈さを増している。

アメリカン航空は9月28日、従来のジェット燃料に代わる燃料調達と、それを開発する技術会社を選定する目的で、投資銀行のオーシャン・パーク(バンクーバー)を起用すると発表した。アメリカン航空は、技術力があり、信頼性の高い製造元から石油由来の価格と競合できる再生可能ジェット燃料の調達を目指しているという。今後、オーシャン・パークは、商業生産の可能性という観点から再生ジェット燃料の選定にかかわる予定だ。

他方、米アイオワ州立大学は9月26日、米シェブロンとの合弁企業「バイオセンチュリー・リサーチ・ファーム」が、最先端の再生可能バイオ燃料製造プロセスを開発していると発表した。このプロセスは「溶媒液化法」と呼ばれ、大学構内のパイロットプラントで行われている。木材チップなどからバイオ燃料や化学品の原料となるバイオオイルやバイオ炭を製造するという。

また、仏グローバル・バイオエネジーズと、スイスのクラリアントはこのほど、麦わらの加水分解物からバイオイソブテンの製造に初めて成功した。バイオエネジーズが9月28日に発表したニュース・リリースによると、クラリアントの加水分解技術と、糖からイソブテンを製造するバイオエネジーズの技術を組み合わせることで実現したという。本件に関し、両社は1年半前から共同研究を進めてきた。

このほか、Ginkgo Bioworks(米ボストン)はこのほど、バイオ由来の中間製品や化学品などの大量生産でGeomaticaと提携した。イタリアのノバモントがGeomaticaの技術を導入し、バイオ1,4-ブタンジオール生産プラントが稼働に漕ぎ着けたとしている。Geomaticaが9月29日に発表した。