電力スポット市場の約定量を左右する売り入札量と買い入札量の動向はどうだろうか。2015年の4月~8月の売買入札量をみると、売り入札量は合計で378億8,194万kWh(キロワット時、以下同)、買い入札量は合計で143億6,960万kWhだった。一方、今年4月~8月の売買入札量は、売り入札量が合計で369億5,085万2,000kWh、買い入札量が合計で226億4,444万kWhだった。結果として、売り入札量は前年比で2.5%の減少だったものの、買い入札量は前年比で57.6%増に達した。主要な売り手である旧一般電気事業者は、少なくともこれまでの顧客を奪われるケースが増えているため、余剰電力は前年より増えていることが想定される。したがって、余剰分をスポット市場で運用するよりも、供給を絞っている可能性が大きい。一方、買い入札量の増加は顕著であり、売り入札量が減少していることから、通常であれば、価格は上昇する動きになるが、実際はそうした相関関係になっていない。(写真はイメージ) 

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