今回は、イスラエルの最新エネルギー事情とともに、キプロス共和国(首都:ニコシア)に関する情報を取り上げる。キプロスの石油・天然ガス会社が、イスラエル沖合のタニンなど2ガス田を買収することが判明している。
8月17日付のサイト『OEデジタル』などによると、キプロスのオーシャン・エネルジアン・オイル&ガス(OEOG)はこのほど、イスラエル沖合のタニン、カリッシュの2天然ガス田の権益100%をデレク・グループの子会社であるアブナー・オイル・エクスプロレーション、デレク・ドリリング、米ノーブル・エナジーの3社から1億4,850万ドルで買収するという。
タニン天然ガス田は2011年、カリッシュガス田は2013年に発見された。天然ガス埋蔵量は合わせて600~800億立方メートルとされる。イスラエル沖合の天然ガス田は、デレク・グループとノーブル・エナジーが権益を独占しているため、独占禁止法の観点から今回、キプロス企業への売却につながったとされる。
一方、9月5日付のサイト『オフショア・エナジー・トゥデイ』などによると、デレク・グループはこのほど、イスラエル沖合のタマル天然ガス田から産出される天然ガスをイスラエル・エレクトリック・コーポレーション(IEC)に供給する売買契約で見直し作業を行ったようだ。供給量について、増加する場合の選択肢の期間をこれまでの2017年1月から2019年末までを2018年末に前倒しすることになった。総供給量は現行と変わらずの860億立方メートル。タマルガス田プロジェクトの権益比率は、ノーブル・エナジーが36%、イスラムコネゲブが28.75%などとなっている。
タマル天然ガス田は、2009年にイスラエル沖合で発見された。ハイファから約130キロメメートル離れた海底約1,500メートルに位置する。天然ガス埋蔵量は10兆立方フィートで、イスラエルの国内消費の数10年分に相当するとされる。2013年3月末、約4年間の開発工事が完了し、商業生産がスタートした。
このほか、キプロス関連では、同国が8月末、沖合で天然ガス生産活動が実施された後、そこで産出されたガスをパイプラインで輸送する契約をエジプト政府と合意した。8月31日付のサイト『ダウンストリーム・トゥデイ』などによると、ノーブル・エナジーが2011年、キプロス沖合で天然ガスの埋蔵4.5兆立方フィートを発見したという。