国内石油製品スポット市況の輸入採算価格に対する割高感が後退している。リム総研の試算によると、国内石油製品と輸入採算値とのレシオは頭打ち傾向が浮き彫りになっている。米ドルが円に対して強含んでいることや、中国政府が独立系石油会社に対する脱税行為の取り締まりを強化することが伝えられ、シンガポール市況が急速に下値を切り上げたことが背景にある。国内では大手元売りの一角が、8月の陸上市場でのガソリンや軽油の出荷枠を削減したことをきっかけに、国内スポット市場が引き締まり、輸入採算値に対する割高感が強まっていたが、国内市況の割高感は解消に向かっている。シンガポール市場では、今年に入って中国の独立系石油会社による石油製品輸出が急増し、シンガポール石油製品市場の供給過剰感が強まったことが、日本国内市場の相対的な強さの遠因となっていた。当レポートでは、国内スポット価格と輸入・輸出採算値を(国際価格)比較し、両市況間にどのような傾向があるのか、それが今後、世界規模でどのような影響を受けていくのかを考察した・・・。(写真はイメージ)

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