液化天然ガス(LNG)ビジネスで、西オーストラリア州沖合のブラウズ海盆が注目を集めている。今回は、豪州で発表されたLNGに関するニュースをいくつか取り上げる。

豪EVOL LNGは7月28日、同社が事前申請していたLNGバンカリング業務を西オーストラリア州のフリーマントル港湾局が認可したと発表した。EVOLは今後、バンカリング設備(供給能力45トン/時)を建設し、低硫黄船舶用ディーゼルに競合し得る価格でLNGを提供する計画だ。LNGはEVOLのクウィナナLNGプラントから供給するという。

ノルウェーのDOF Subsea(本社:ベルゲン)はこのほど、豪プレリュードLNGプロジェクトで、浮体式LNG施設(FLNG)の海中サービス業務などをシェル・オーストラリアから受注した。FLNGを設置する場所はブラウズ海盆で、契約期間は5年間という。主な契約内容は、検査・保守・修理作業という。

FLNGはプレリュード天然ガス田に25年間にわたり係留される見通し。年間生産量をLNGで360万トン、コンデンセートで120万トン、液化石油ガス(LPG)で40万トン(いずれも原油換算)の予定だ。7月29日付のサイト『オフショアエナジー・トゥデイ』などが報じた。

また、豪地質調査会社のサーチャー・セイスミックは7月末、ブラウズ海盆で7,000キロメートルにわたる2次元地震探査データの再解析を行う計画であると発表した。2010年のデータをブロードバンドPSDMであらためて解析し、2016年の新規公開鉱区を含むブラウズ海盆にかかわる詳細データの取得が目的としている。

このほか、7月29日付の『ロイター通信』によると、オーストラリア・パシフィックLNG(APLNG)は、今年第2四半期に16隻(カーゴ)分のLNGを出荷し、今年1月にオリジン・エナジーがAPLNGからLNGを初出荷してから累計で32隻になった。中国石油化工(SINOPEC)と関西電力が主な輸出先だ。

APLNGの第1系列(トレイン)は第2四半期に米ベクテルの性能試験を終え、年間450万トンのLNG引き渡しが完了したという。第2系列は現在、試運転中で、2017年度の第2四半期に初出荷する予定という。