「原油安ショック」シリーズの第45弾。原油価格が年初に比べ上向いてきたものの、油田サービス企業を中心に人員削減の動きが継続しているようだ。

米油田サービス大手のハリバートンは7月20日、2016年第2四半期に約2,000人の人員削減を実施したと発表した。昨年11月に公表した同業のベーカー・ヒューズ買収が暗礁に乗り上げた(独占禁止法にかかわる問題)ことによって、同社への違約金35億ドルの支払いが生じた。ハリバートンは2014年以降、約3万3,000人の人員整理を実施。現在の全従業員数は約5万人。

他方、世界最大規模の油田サービス企業であるシュルンベルジェは7月下旬、2016年第2四半期の業績で21億6,000万ドルの純損失を計上するとともに8,000人規模の人員削減を実施した。同社は15年第4四半期に約1万人、16年第1四半期に約8,000人の人員削減を実施したばかりだ。過去2年間の合計削減数は約5万人に上るという。

そのほか、2016年7月21日付のサイト『ヒューストン・ビジネス・ジャーナル』などによると、米コノコ・フィリップスは全従業員の約6%に相当する1,000人規模の人員削減を計画しているという。原油安の進行に伴い、投資削減を余儀なくされる中、人員整理で適正化を図るようだ。コノコは2014年以降、すでに3,400人規模の人員削減を実施した模様という。

ところで、油田サービス企業以外では、ベネズエラ国営PDVSAが7月初旬、2015年の石油収入が前年比40.7%減の722億ドルになったことを公表した。原油価格の下落が主因としている。ベネズエラの原油平均価格は、2014年が1バレルあたり88ドルだったが、16年前半に同31.15ドルに下落し、経済状況がさらに悪化しているのが実情だ。7月3日付の『ロイター通信』などが伝えた。

また、仏エンジーは7月下旬、カメルーンで展開するカメルーン液化天然ガス(LNG)プロジェクトの保留を決めた。LNGプラントを同国南部の海岸沿いに建設するものだが、市場環境の悪化を理由に、設計・調達・建設業務(EPC)にかかわる入札を見合わせる予定という。