中国では、中国石油天然ガス集団(CNPC)の動きが目立っている。同社は今後5年間で、天然ガスの増産と輸送能力を強化する意向を示したほか、アゼルバイジャンの製油所や石油化学プロジェクトへの投資を計画しているようだ。また、ロシア国営ロスネフチの株式取得を検討していることも判明している。
6月2日付のサイト『ナチュラルガス・アジア』などによると、CNPCは今後5年間で天然ガスの増産と輸送能力の強化、液化天然ガス(LNG)輸入基地の増強に取り組み、2020年までに40%の増産、販売拡大を計画する。具体的には、天然ガスのパイプライン網を6万キロメートルまで拡張する見通しで、これによって輸送能力を1,800億立方メートル(年間ベース)に高めるとしている。また、LNG輸入基地を新たに3カ所建設し、ガス貯蔵能力を現行の1,300万トンから1,900万トンに増やすという。
CNPCはまた、アゼルバイジャンの製油所・石油化学プロジェクトへの投資を計画しているとされる。6月2日付のサイト『トレンド』などが伝えた。それによると、アゼルバイジャンは首都バクーから約60キロメートルの場所に発電プラントなどを設置する予定で、投資額171億ドルのうち、3割を自己資本で調達する方針だ。その他の借入資本で、中国が投資する見通しとされている。
そのほか、CNPCはロシア国営のロスネフチの株式を取得する動きを見せている。これは、ロシア政府が同社の一部株式を売却する計画を受けてのもので、株式売却額は約100億ドルとされている。5月30日付のサイト『アジア・エナジー・セントラル』などが報じた。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は5月末、2015年の中国のディーゼル輸出量が急増したと公表した。中国経済の中心が重工業から商業や個人消費にシフトしているため、ガソリン増産が顕著で、これにともない、ディーゼル輸出量も伸びているようだ。中国政府は、2015年から石油製品の輸出割り当てを増加させているという。