豪州企業の間では、海外におけるエネルギー開発が積極的に展開される一方、国内ではクイーンズランド州で地下石炭ガス化(UCG)が禁止されるなどの規制が強化されている。
豪州の石油・天然ガス開発を手がけるオイレックスは4月前半、インド・グジャラート州の陸上に位置するバンディット-3井で生産活動(掘削の深度は1,010メートル)をスタートしたと発表した。
他方、豪州のバイロン・エナジーは4月半ば、メキシコ湾のSM-71井で、3層から構成される石油・天然ガスの埋蔵を確認した。4月20日付のサイト『オフショア。エナジー』などが報じた。深度は2,086メートルとしている。層の厚さが30メートルのD5サンドの埋蔵量は、原油で560万バレル、天然ガスで41億立方フィートという。厚さ9メートルのJサンドでは、埋蔵量が原油で80万バレル、天然ガスで5億立方フィートだったという。
このほか、豪州のウッドサイド・エナジーと韓国ガス公社(KOGAS)は4月11日、協力関係の構築強化で合意し、覚書(MOU)に調印したと発表した。両社は2011年に契約を締結済みで、今回、共同事業に向けた取り組みや、スタッフ間の交流を促進するなど、今後の技術開発につなげる狙いがあるようだ。ウッドサイドは現在、豪州で展開する液化天然ガス(LNG)プロジェクトであるプルートLNGからKOGAS向けにLNGを供給している。
ところで、豪州では州レベルでの規制強化の動きもある。クイーンズランド州のアンソニー・リンハム開発・資源相は4月下旬、地下での石炭ガス化(UCG)の禁止を発表した。環境面に与える影響が懸念されるとした。禁止措置は直ちに発効、今年の年末までに法制化を急ぐという。
クイーンズランド州では、カーボン・エナジーがダルヴィ近郊で、クーガー・エナジーがキンガロイ近郊で、リング・エナジーがチンチラという場所でそれぞれ、UCGのパイロットプログラムを展開している。4月18日付のサイト『ABC』などによると、今後、これら3社がプログラムの中止に追い込まれるかもしれないと伝えている。