ウガンダ(首都:カンパラ)とタンザニア(法律上の首都:ドドマ)との間で、原油パイプラインの建設に関する合意が公表されたが、その後、この件で、ルート決定に至った理由が判明した。さらにはウガンダが新設する製油所プロジェクトの権益取得にタンザニアが関心を示すなど、新しい動きが出ている。
ウガンダとタンザニアの両大統領は3月初旬、両国間を結ぶ原油パイプラインの建設計画で合意した。パイプラインは、ウガンダのホイマとタンザニアの港湾都市であるタンガ間を結ぶ全長約1,403キロメートル。タンザニア国営の石油開発公社TPDCは、タンザニア・ルートの投資額を40億ドルと見込んでいたようだ。
当初、ウガンダ政府はケニア経由のルートを検討していたが、このルートを採用すると、投資額が跳ね上がるとともに、ソマリアとの紛争で地政学リスクも考慮しなければならないため、結果的にタンザニア・ルートを選択したという。ケニア・ルートの場合、輸送料金が1バレルあたり17ドルかかるのに対し、タンザニア・ルートは同12.2ドルになるという。
また、ウガンダ政府の試算で、建設費用はタンザニア・ルートが35億5,000万ドルに対し、ケニア・ルートが42億ドルであった。4月26日付のサイト『ウガンダ・オイル』によると、ウガンダのエネルギー相は、輸送料金・輸送量・地形・インフラストラクチャー・輸出港の状況などを総合的に判断して、最終的に原油パイプラインのルートを決定したと述べたとしている。
ところで、原油パイプラインの敷設で合意したことを受けて、タンザニア側が、ウガンダで新設予定の製油所の権益8%を取得する方向で調整している事実が判明した。4月23日付のサイト『デイリー・ネーション』などによると、昨年2月、ウガンダ政府はロシア国営RTグローバル・リソーシズのコンソーシアム(複合企業体)に権益60%を保有することを条件に建設工事を発注した。残り40%をウガンダ政府が保有する。建設費用は25億ドルを見込む。精製処理能力は日量6万バレルで、ウガンダで産出される原油を処理するという。