「原油安ショック」シリーズの第43弾―引き続き、世界各地におけるエネルギー開発計画の見直しや、人員削減策などを取り上げる。
4月18日付のサイト『アップストリーム』によると、米オレゴン州ワーレントン市のコロンビア川河口で計画されていた液化天然ガス(LNG)基地建設に関連し、地元紙『デイリー・アストリアン』は、主体のオレゴンLNGが建設申請を撤回したようだと報じた。原油価格の下落が続く中、ルーケディア・ナショナル・コーポレーションが融資を止めたことが要因とした。計画によると、今年の第1四半期に建設工事をスタートし、2020年までにフル操業に引き上げるとしていた。投資額は60億ドルで、LNG生産能力は年間900万トンだ。
豪州の石油・天然ガス開発会社であるビーチ・エナジーは、ビクトリア州沖のバスカー・マンタ・ガミ(BMG)天然ガスプロジェクトから撤退すると、合弁(JV)を組むクーパー・エナジーに伝えた。4月15日付のサイト『エナジー・ボイス』が報じた。それによると、権益の譲渡完了は、プロジェクトの認可期限を終える今年10月27日としている。BMGの権益比率は、クーパーが65%、ビーチが35%となっている。
米投資会社のワンロック・キャピタル・パートナーズの完全子会社であるアイランド・エナジー・サービシズは4月19日、シェブロンU.S.A.から米ハワイの精製、物流、小売り資産を買収することで合意したと発表した。買収対象は、ハワイ製油所(精製能力は日量5万8,000バレル)、オアフやマウイ、カウアイ、ハワイ島の石油製品ターミナルなどで、買収を今年の下半期中にも完了する予定だ。
英電力・天然ガス会社のセントリカの子会社であるブリティッシュ・ガスは4月20日、684人の人員削減に踏み切ると発表した。また、バーミンガム近郊のブリティッシュ・ガス・サービスのオールドバリーオフィスも閉鎖するという。セントリカは昨年、原油価格の下落で、6,000人規模の人員削減策を公表。近く3,000人の人員削減を実施するとし、このうち800人は第1四半期に削減するとしていた。
ところで、国際原油価格は上昇傾向にある。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では4月27日、ウエスト・テキサス・インターメディエート(WTI)原油相場が、清算値ベースで1バレルあたり45.33ドルを付け、昨年11月4日以来の高値を付けた。