バイオ燃料を巡る世界での動きが活発だ。オランダのKLMロイヤル・ダッチ航空がこのほど、バイオジェット燃料を使用してアムステルダムとノルウェーのオスロ間を飛行すると発表したほか、米サミット・フグリカルチャル・グループが、トウモロコシを原料とするエタノールプラントを南米ブラジルで建設するなどの情報が伝わっている。
KLMロイヤル・ダッチ航空は3月31日、アムステルダムとノルウェーのオスロとを結ぶ航路で、約80便にバイオジェット燃料を使用すると発表した。ブラジルの航空機メーカー、エンブラエル190機が対象となる。また、ITAKAと呼ばれるバイオ航空燃料プロジェクトのもと、エアーBP、スカイNRGが燃料を供給するとしている。
サミット・アグリカルチャル・グループ(米アイオワ州)が3月29日、南米ブラジルでトウモロコシを原料とするエタノールブラントの建設を開始したと発表した。ブラジルのフィアグリルと共同事業となる。投資額は1億1,500万ドル。穀物の一大生産地であるマトグロッソ州のルカス・ド・リオ・ヴェルデに建設するとした。エタノールの生産能力は年間6,000万ガロンで、2017年半ばの完成を目指す。エタノールはブラジル国内に供給される見通しだ。
このほか、バイオベンチャーの米ランザテック(イリノイ州)は3月24日、再生可能エネルギー・特殊化学会社の米アメティスに対し、農業・森林残渣・都市ゴミなどからエタノールを製造する(ランザテック所有の)特許技術の独占使用権利を付与すると発表した。契約対象の地域が米カリフォルニア州で、契約期間は12年間になるとした。
米エネルギー情報局(EIA)は4月7日、米国におけるエタノールとバイオディーゼルの鉄道輸送量に関する情報データ(月次ベース)の提供を開始したと発表。EIAはまた、4月14日に米国のバイオディーゼルの輸入量が2013年にピークに達し、14年は減少に転じたことを明らかにした。再生可能基準(RFS)に準拠した割当量や、税制優遇措置が不明確だったことが主たる要因とした。15年のバイオディーゼル輸入量は前年比61%増の5億3,800万ガロンを記録したという。